さて、いよいよ出発当日。
なにしろ飛行機だけで12時間、飛行場への往復を含めると16時間以上はキャリーの中で過ごさなければならない稀典。気圧の変化が及ぼす影響や、フライト中のトイレはどうするのかと、出発が近づくにつれ不安で、私のほうが眠れなくなってしまった。以前、猫をアメリカから連れて帰った経験のある友人から、獣医さんに頼んで、鎮静剤か睡眠薬を処方してもらうようアドバイスを受けたので、事前に主治医に尋ねてみたら、「この子には必要ないです。むしろ鎮静剤の副作用のほうが怖い」との返事。 でもやっぱり心配なので、パッチフラワーのレスキュー・レメディを使うことにした。これは草花から作られたエッセンスで、ストレスを感じる状況で、心のバランスを取り戻し、普段の落ち着いた状態に戻る手助けをしてくれるというもの。本来人間用だが、ペットにも効果があるという。 出発の1週間前から飲み水に垂らしてみた。ついでに私も眠れるように一緒に飲んでみたのだけど。 当日は、朝早くおきて、たっぷり散歩をさせてトイレを済ませ、朝食は抜きで成田へ。成田空港の第一ターミナルの場合、出国は4階だが、検疫所は2階にある。そこへ、チェックインの1時間前に、犬を連れて書類を持って検査を受けに行く。事前に書類をファックスしてあるので、原本の確認と簡単な犬の身体検査のみで、あとは検疫所が輸出許可書類を作ってくれる。それが出来上がると、キャリーに、「検疫済み」文字の入ったタグをつけて検疫終了.。検査と書類作成にかかった時間は約30分ほど。 さあ次が問題のエールフランスのチェックインカウンターでの重量測定。あーん、ダイエットしたにもかかわらず、結局200グラムほどオーバーしていたが、係りのお姉さんはそしらぬ顔で、「はい、4キロですね。」と言ってくれた。良かったぁ!でも、ワンコはただで飛行機に乗れるわけではない!1キロ30ユーロの料金がかかるのだ。とういうわけで、4キロ分の18000円を支払って、これですべてクリア。 こうしてついに機上の犬となった稀典だが、あれほど心配した私が拍子抜けするほど、まったく動じる様子もなく、いつも電車で旅行するときと同じようにキャリーの中でひたすら眠りこけ、離陸や着陸の際の気圧の変化にもほとんど無反応だった。一緒に乗っていた赤ちゃんたちは着陸時にはみんな泣き出したのに。その上、ミールサービスの時には、「俺にもよこせ」とばかりにスッチーさんに吼えて周りの失笑を買うほどの余裕ぶり。彼にしてみれば、「今回の旅行は清里よりはちょっと遠そうだな」ぐらいのことだったのかもしれない。 これも今まで国内を45回以上も、キャリーに入れて電車やバスや船で一緒に旅行してきたおかげだわ。 エールフランスはさすがペットの機内持ち込みをOKしているだけあって、客室乗務員の人もワンコに優しく、途中で様子をみにきてくれたり、声をかけたりしてくれた。 というわけで、無事パリ、シャルルドゴール空港に到着。これからフランスへの入国検査と思いきや、どこを探しても検疫所が見つからない。実はうわさではほとんどノーチェックと聞いていたので、そのまま何気なく税関の前を通り過ぎたら、本当に誰にとがめられることもなく、外に出られてしまった!いやー、やっぱり、出発前の苦労はすべて、再び日本に戻ってくるためのものだったのね。
by MadameSanma
| 2007-04-26 22:36
| 犬の渡仏
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