中世の城壁跡めぐり 左岸

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愛読書の宮下先生の「パリ歴史探偵術」を持って、セーヌ左岸の中世の城壁跡を歩いてみた。ヨーロッパの中世都市には外敵から守るための城壁は付き物で、パリも12世紀にフィリップ二世オーギュストが城壁を作った。

城壁の全長は5400メートル。その当時のパリは、西はルーブル美術館、東はマレー地区のサン・ポール、北はポンピドゥー・センター、南はパンテオンあたりまでで、パリ発祥の地であるシテ島から東西南北どちらに向かって歩いても10分ほどで城壁に突き当たってしまうほどの広さだったそうな。ルーブル美術館も、もとはフィリップ・オーギュストが作った城塞で、城壁沿いに建っていた。

出発点は、ポン・ヌッフ。左岸の城壁は、造幣局の建物があるあたりから始まっていたらしい。造幣局は、貨幣博物館になっていて、中の売店ではキティちゃん金貨が買える。「12世紀にわたり強い貨幣を作ってきた」という造幣局の垂れ幕。
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造幣局脇のゲネゴー通りから、マゼリーヌ通りへ。セーヌ川からフランス学士院の裏を通ってカルチエ・ラタンのオデオンまで続く道で、もともとは城壁の外側に作られた掘割だった場所。
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途中に、ロベスピエールやダントン、オスカー・ワイルドが通ったカフェの「プロコープ」がある。
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その正面は、もとコメディー・フランセーズだった場所。
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マゼリーヌ通りは、オデオンでサンジェルマン大通を渡って、ムッシュ・ル・プランス通りとなる。通りの脇には階段が何箇所かあり、この通りが掘割の土手だったことを示しているそうな。
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ムッシュ・ル・プランス通りは、やがてリュクサンブール公園の脇で、サン・ミッシェル大通りと交差する。その先で交わるサン・ジャック通りは、ソルボンヌの建物がある通りで、かつてはカルチエ・ラタンのメイン・ストリートだったらしい。
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その先の道は、名前もそのままサン・ジャックの掘割通り。その途中にあるエストラパード広場は、緑の木陰と噴水が静かで穏やかな憩いの場所であるが、かつては、罪を犯した兵士を吊り落としの刑に処した場所だったそうな。
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この道にはソルボンヌの文明講座が開かれる建物があるので、日本人留学生にはなじみの場所。横道からは、パンテオンが見える。
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パンテオンの裏にあるのは、パリでも有数のエリート高校リセ・アンリ・キャートル。
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そのまま道なりに歩いていくと、市場通りで有名なムフタール通りにたどり着く。パンテオンとムフタール通りがこんなに近いなんて、今まで気付かなかった。
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ここでちょっとお休み。
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ムフタール通りに続くコントレスカルプ広場は、ヘミングウェイが通ったことで有名。
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ヘミングウェイは、広場近くのカルディナル・レモワーヌ通りにあるこの建物の4階に住んでいた。
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カルディナル・レモワーヌ通りが、かつてサン・ヴィクトワール掘割通りと呼ばれていたことを示す看板。
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このあたりには、今も12世紀のフィリップ・オーギュストの城壁が残っているところが多く、写真は、カルディナル・レモワーヌ通りから右に入ったクローヴィス通りにある城壁。
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そのままカルディナル・レモワーヌ通りをセーヌに向かって下っていくと、トゥルネル河岸に出る。その角にあるのがレストラン「トゥール・ダルジャン」。
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トゥルネル河岸のブキニスト。
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対岸はサン・ルイ島。もっとも中世には、まだサン・ルイ島はなかったそうな。
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左岸の城壁跡めぐりは、ここでおしまい。でも、ここまで来たら、そばにあるアラブ世界研究所の屋上に登って、ノートルダムのきれいな後姿を見物しましょう。
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ちなみに、サン・ルイ島を経て右岸にわたり、サンス館の裏の通りにある今はシャルルマーニュ高校の運動場にも、フィリップ・オーギュストの城壁が残っている。右側の少し丸みを帯びた部分は塔。
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by MadameSanma | 2008-08-28 16:00 | パリ
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